一番好きな美術館
都内にはたくさんの美術館がありますが、
その中で最も好きな美術館は
「太田記念美術館」
原宿駅から歩いて5分、表参道を一つ入れば静かな空間。
表参道の途中にも案内がありますが、気にしていないと見落としてしまいそうなくらいちょっと控えめ。
太田記念美術館は1980年に開館した「浮世絵専門」の私設美術館です。
展示室には畳の空間もあり、他の美術館とは異なり和風で静かな空間です。
江戸時代初期にできた浮世絵は、江戸に暮らす人々を描いたものが多く、
太田記念美術館で展示される浮世絵たちは、この同じ土地でかつて生活していた人々の様子や文化を感じることができ、とても興味深いものです。
浮世絵を見るとき、わたしが特に注目するのは着物。
いつも無地の服ばかり選んでしまう私からすると、
人々の着物姿は色と柄の組み合わせが斬新で「センスいいなぁ」と思いながら食い入るように見ています。
人物以外でも、歌川国芳の猫シリーズや江戸の判じ絵なども当時のユーモアが感じられるのが、たまらなく好きです。
河鍋暁斎「躍動する絵本」展へ
そんなこんなで10/29-12/19まで開催されている、河鍋暁斎「躍動する絵本」へ行ってきました。
河鍋暁斎は幕末から明治にかけて伝統的な狩野派でありながら浮世絵を数多く描いた絵師。
7歳で浮世絵師歌川国芳に入門したのち、10歳で駿河台狩野派に転身し絵を学びます。
16歳のとき、近所で大火事が起こり、自宅も延焼してしまうのですが、
家財道具を必死に持ち出す家族とは反対に、暁斎は火事の燃え上がる様子をひたすら写生していたそうです。
(当時の火事の様子を描いた作品も展示されていました)
河鍋暁斎は葛飾北斎の「北斎漫画」を超えるほどの筆使いで「暁斎漫画」や「暁斎鈍画」「暁斎酔画」など数多くの絵本を刊行しました。
今回の展示で前期、後期あわせて420頁分の絵本が紹介されています。
河鍋暁斎の絵本の魅力は人物だけでなく(チラシにもあるように)動物も生き生きと描かれているところ。
河鍋暁斎の作品は特に人気があるのか、これまで来たときよりも人が多いように感じました。
お目当てはこちら
美術館の企画展では、展示にあわせたポストカードが販売されることが多いのですが、
今回の展示ではポストカードの販売はない様子。
代わりに(というか、むしろ本命)購入したのはこちら
虎子石は、もともと「曽我物語」に出てくる大磯の虎に所縁のある石の名前。
歌川芳員「東海道五十三次内 大磯」に描かれています。
(左上のポストカードの絵)
来年の干支であるトラにちなんで、この虎子石をデザインした年賀状が2種類販売されています。
左下のポストカードは歌川芳虎「家内安全ヲ守十二支之図」
一匹の動物の中に十二支が描かれています。
「虎子石」は太田記念美術館の公式Twitterアイコンにも使われていて、LINEスタンプもあります。
東京ヤクルトスワローズ、20年ぶりの日本一おめでとうございます。便乗して、浮世絵に描かれた #つば九郎 のご先祖様を紹介します→https://t.co/18qBWiVOgf なお、この作品は現在展示しておりません。 pic.twitter.com/rRy4WKm4Cn
— 太田記念美術館 Ota Memorial Museum of Art (@ukiyoeota) November 27, 2021
虎子石のマスキングテープはここでしか買えません。(←に、弱い)
美術館の地下には「てぬぐいのかまわぬ」があり、このお店でしか買えない手ぬぐいのデザインもあります。
寅年にあわせて、太田記念美術館の「虎子石年賀状」いかがでしょう。
おまけ
帰りは散歩がてら、外苑前の銀杏並木へ
雲ひとつない青空に黄色に色づいた銀杏の並木はちょうど見頃で、圧巻でした。