「民藝の100年」展にいってきたはなし

読んだ・観たはなし
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これは行かんといけん

先日Twitterを眺めていると、こんな広告が目に留まり

「民藝」とは「民衆的工芸」を略した言葉(パンフレットより)

日本各地で暮らしに根ざし生活で使われていた工芸は独特の味わいと美しさがあり、
その地域ならではの市井の人々の感性も伝わる、美術展の中で私の大好物のジャンルです。

さらに公式Twitterを眺めていると


あら、地元のお店が期間限定で出店してる!

「こりぁ行かんといけんがぁ」(行かないといけないわぁ)と倉吉弁を発しつつ、
東京国立近代美術館へ行ってきました。

柳宗悦への返球

展示室に入ってたびたび目に入ってきた注意書き。
正確な文言は忘れてしまいましたが、主旨としてはこのようなニュアンスのもの

「展示室は2階にもあります。ペース配分にお気をつけください」

あまり美術展では見かけない注意書きに「ふ~ん」と思いながら、
展示品を見ていきましたが。

なるほど

日本の北から南までのみならず、朝鮮や台湾の民藝品が紹介されていて
さらに1910年代~1970年代まで6章で構成されているそのボリュームたるや

人気の絵画展ほどの混み具合ではないので、気に入った展示をじっくり観ることができ、
気がつけは立ちっぱなしで2時間半も経過していました。

今回開催の「東京国立近代美術館」は開館(1952年)当初、
柳宗悦からとある「批判文」を投げかけられたとのこと。

この「民藝の100年」展は、当時の「お叱り」に対しする
(50年越しの)返球でもあるようです。

空の上から柳宗悦はどんな顔でみているのでしょう


今回の作品リストは展示室入口でQRコード読み取ることで見ることができます。
ただ、そのためには事前に専用アプリのダウンロードが必要です。

QRコード読み取りは便利ではありますが、昭和世代のわたしは作品リストをA4紙で見たかった

思いのほか鳥取

民藝といえば、柳宗悦、濱田庄司、河井寛次郎がよく知られています。
こちらでは民藝運動の3つの柱の一つ「流通と生産」の中心となった吉田璋也
に関する展示も数多くありました。

吉田璋也は鳥取の耳鼻科医でもありながら、
民藝のプロデューサーとして鳥取の新作民藝運動を興した存在。

当時の写真や彼が身につけていたもの、黒と緑の対比が美しい牛ノ戸焼の他、
2階の展示コーナーでは鳥取市にある「たくみ工藝店」「鳥取民藝美術館」なども
映像で紹介されていました。

公式サイト内には鳥取の民藝を訪ねたコーナーもあります

鳥取を訪ねて|柳宗悦没後60年記念展「民藝の100年」@東京国立近代美術館
展覧会「民藝の100年」では、柳宗悦らが蒐集した暮らしの道具類や民画のコレクションとともに出版物、映像などの同時代資料を展示し、総点数400点を超える作品と資料を時代とともに変化し続けた民藝の軌跡を新しい視点から解き明かしていきます。

特設ショップでは因州和紙や焼き物の他、
山陰の民藝を紹介する本もいくつか置いてありました。
地元にいるころは、子どもだったこともあり、当たり前の環境だったけれど、
こうやって一歩引いてみると地元も魅力がたくさんあるところだなぁと。
故郷を見直すきっかけになりました。
(たまに帰省しても観光目線で出かけることがないもので・・・)

おまけ

皇居周辺も紅葉が始まり天気も良いので、
当初は観終わったら皇居周辺をぐるりと一周散歩しようと考えていましたが、
2時間半ウロウロ歩いていると最後はクタクタになってしまいました。

廊下のベンチにて

「民藝の100年」展は来年2月13日(日)までの開催です
時間と体力にゆとりをもって行かれることをおすすめします。

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