金木犀と銀木犀のはなし その違いと共通点

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秋の香り

10月に入って街を歩いていると、どこからともなく金木犀の香りが漂うようになりました。
パッと見渡したところ金木犀は見当たらないのですが、
しばらく進むと可愛らしい黄色い花のついた木が見えてきます。

街路樹や生け垣につかわれることが多い金木犀。
かつて実家の軒先にも植えられていたこともあり、
金木犀の香りはどこか懐かしい気分になります。

木犀と言えば金木犀が有名ですが、白い花の銀木犀もあります。

金木犀と異なり、優しくほのかに香る銀木犀は街を歩いていて、
出会う機会は金木犀ほどありません。

銀木犀は、かつての職場に鉢植えのものがあり
(代表が銀木犀のやわらかな香りが好きだったようで)
秋になり白く小さな花をつける頃になると、
休憩時間、銀木犀の香りを胸いっぱいに吸いにいっていた思い出があります。

秋の香りとも言える金木犀と銀木犀、
名前はそっくりだけど、その違いはなんだろう?と今回調べてみました。

共通点

金木犀も銀木犀もともに「モクセイ科モクセイ属」の植物
中国原産で中国名はどちらも「桂花」

ちなみにお酒の「桂花陳酒」は、白ワインに「金木犀の花」を3年漬け込んだものです。
(炭酸で割ると、さっぱり軽やかになるのが私好みの飲み方)

どちらも木の高さは、数~10メートル程度の低木で常緑樹、
ともに10月頃小さな花を咲かせます。

木犀の由来は、樹皮が動物のサイの皮膚に似ていることからきています。

違い

金木犀

銀木犀よりも金木犀の方が有名ですが、
じつは金木犀は銀木犀の変種でできたもの。

中国では本来「木犀」=銀木犀、「丹桂」=金木犀をさしています。

金木犀は雌雄異株で、雄株には雄花、雌株には雌花が咲きます。
ただ、日本には雌株がほとんどないため果実を見ることはなく
繁殖させるときは接ぎ木や挿し木で行うので、
日本では自然に分布することがないようです。

金木犀の葉はトゲが大きく先端が尖っています。
花は黄色またはオレンジ色、香りも強く、
小さな花が密集してたくさんの花を咲かせます
花の咲く時期は銀木犀よりも早いです。

金木犀の花言葉は「謙虚」「気高い人」「真実」「陶酔」「初恋」
いずれも花の香りからきています。
(強い香りに対して小さくて控えめな花というところもあるようですね)

ちなみに金木犀の花の香りの主成分は、
γデカラクトン、βイノオン、リナロール、リナロールオキシド、ヘキセノール
揮発性の成分が多く、香りの成分が空気中に溶け込んでいくので遠くまで香りが漂います。

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銀木犀

銀木犀も金木犀と同じく雌雄異株ですが、
こちらは日本でも雄株、雌株ともに生育しているので
実のついた雌株を見ることができます。

銀木犀の葉はトゲが細く、全体的に丸みを帯びています。
花は白色または象牙色小枝の先端にひとつづつ咲かせるので
花数は金木犀よりも少ないです。

花の咲く時期は金木犀の花が満開になったころに咲き始めます。
香りは金木犀よりも控えめで穏やかな芳香です。

銀木犀の花言葉は「高潔」「あなたの気を引く」「初恋」
白い小さな花を咲かす銀木犀、金木犀よりもやさしくふんわりと
周囲に漂う甘い香りの印象といったところでしょうか。

年に一度しか咲かない金木犀と異なり、
銀木犀は一年に複数回花を咲かせることがあります。
また比較的暑さ寒さに強いので生育しやすい植物です。

おまけ

銀木犀から金木犀ができたので、
共通点もありますが、比較すると細かなところで違いがあるのがわかりました。

金木犀と銀木犀の香りは、秋晴れの気持ちの良い空を感じさせます。

どちらも小さく可愛らしい花と甘くやさしい香り。
その個性はアニメやゲームのキャラクターで擬人化できそうだなぁ
と思ってしまいます。

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