海から距離があるのだけれど聞こえる鳴き声
私が住んでいるとこは都内東部。
これまでの居住地はいつも山が見える場所だったので。
山が見えない初めての場所
そして数年前の春が終わる頃、今の住居に引っ越してきて驚いたのは、
窓を開けると
「ミャーッ、ミャーッ、ミャーッ」
「ウミネコ」の鳴き声がきこえてくること。
(ここは海まで電車で40分以上かかるところなんですけど・・・)
山も海も見えない住宅地に住んでいるのに「ウミネコ」の鳴き声が聞こえてくると、
波止場にでもいるような気分になります。
かもめとウミネコの違い
当初、聞こえてくる鳴き声は「かもめ」だと思ってましたが、
どうやら「かもめ」ではなく「ウミネコ」でした。
かもめの鳴き声は、
甲高い声で「キャーッ、キャーッ」
カラスの鳴き声が高音でかわいらしくなった感じです。
(実際の鳴き声)
一方、ウミネコの鳴き声は
かもめよりも低い声で「ミャーッ、ミャーッ」
にぎやかに鳴いています
(実際の鳴き声)
それぞれの鳴き声を聴き比べると、はっきり違いがわかりますね。
昔、岩手へ旅行にいったときに浄土ヶ浜で遊覧船に乗って
「ウミネコパン」をウミネコにあげる、ということをやったことがあります。
そのため「ウミネコ=三陸海岸」の印象でしかなかったので、
都内でも鳴き声が聞こえてくることにびっくりしました。
ちなみに
かもめとウミネコ、ともに「チドリ目カモメ科カモメ属」の鳥類。
その姿は目元、くちばしも異なります
(ウミネコも「かもめ」と言えば、かもめということになりますね)
かもめ
ウミネコ
なぜウミネコが住宅地に?
ウミネコは「海の猫」という名だけあって生息地は沿岸部。
ではなぜ、都内の住宅地でウミネコの声が聞こえる(生息)のか?
鍵は「上野公園」にありました。
1990年代に上野動物公園で保護したのち放したウミネコの一部が
水鳥の楽園とも言われる「不忍池」で繁殖したためのようです。
かもめは「渡り鳥」ですが、ウミネコは「留鳥」。
一年中生息地をかえずに生活をするので、
繁殖するとその場所にどんどん増えていくことになります。
さらに2011年東北の震災により東北沿岸部に生息していた
ウミネコが逃げてきた影響もかさなって、
10年前ほどまえから台東区内のマンションやビルの屋上でも繁殖するようになった結果、
繁殖期の4月~8月にかけて「鳴き声の騒音」「フンの被害」が出るようになりました。
台東区がウミネコの対策をとりはじめたことで、居づらくなったウミネコは
現在、中央区や江東区、墨田区など都内各所へも移動、繁殖しています。
水鳥にとって居心地良い「不忍池」の存在、東北の震災などを経て、
どうやらウミネコは内陸地を安全な繁殖地として認識してしまったようです、
毎年ウミネコの鳴き声が聞こえてくると、
「これから暑くなるのだなぁ」
と季節の変化を感じます。
沿岸部で生息するはずのウミネコが都心部で繁殖するのは
世界的にみても珍しいことだそで、
「フンの被害」は困りものですが、
上手に共存できるようになるといいなぁと願うばかりです。